デザイン思考によって、問題を創造的に解決する能力が養われます。このプロセスでは、製品の開発ではなく人材の育成に重点を置き、組織内でイノベーションの活性化につながるスキルを教えます。たとえば、共感することができれば、ユーザーの立場や、どの問題の解決が最優先であるかについて理解を深めることができます。Google の研究者が、この共感力を意識して視覚障害のある一部の Android ユーザーと過ごす時間を増やしてみたところ、彼らの多くが端末のセットアップに助けが必要なことに気づきました。そこで Google では、有効化プロセス時にフォントを拡大したり、拡大率を上げたり、画面の読み上げをオンにしたりできる機能を追加しました。
Google の CSI:Lab は、より大きな規模で展開している Googler-to-Googler(g2g)プログラムの一部です。この g2g プログラムでは、Google 全社員に、社員同士が知識を共有して同僚から学ぶ機会を提供しています。Google の新入社員はオリエンテーションの一環として、勤務 2 日目に会社の重要な経営課題の解決をテーマとする CSI:Lab に参加します。CSI:Lab の全参加者は、学んだことを他の社員と共有して独自の CSI:Lab を実施するよう推奨されます。約 250 人のファシリテーターを擁する CSI:Lab によって、Google は活発なイノベーター コミュニティを発展し続けることができるのです。
イノベーション プロセスと一口に言っても、その様相は組織によって異なります。結局のところ、自社の人材と企業文化に適したプロセスを見つけるしかないのです。組織ですでに使われている言葉を使って、イノベーションを推進するメッセージを浸透させていきましょう。たとえば Google の CSI:Lab では、「ユーザー フォーカス」「10 倍スケールで考える」「プロトタイプドリブン」などの既存の Google フレーズを使用して、イノベーション プロセスの一般的な手順を明示しています。
下記の Google の CSI:Lab コース教材とファシリテーター ガイドの詳細をご覧になり、組織に合わせてカスタマイズしてお使いください。イノベーションについてメンバーそれぞれに考えてもらうためにどんな手法をとるにせよ、組織に最も適したやり方で、組織に合ったデザイン思考プロセスを構築することが重要です。