SNSボタン
記事分割(js記載用)

「そのとき、つながること」に挑むソフトバンクと大橋未歩の思い

【災害×通信インフラ】「そのとき、つながること」に挑むソフトバンクと大橋未歩の思い 【災害×通信インフラ】「そのとき、つながること」に挑むソフトバンクと大橋未歩の思い

みんなのチカラやアイデアをかけあわせて、社会を良くしていくためにーー。さまざまな社会課題に対して、ソフトバンクはどのように挑みつづけているのか。X PROJECTでは、ソフトバンクが創ろうとする今と未来を、多角的な視点からひもといていきます。

「いつでも、どこでもつなぐ。つなぎつづける」ために社会にとって欠かせないインフラとなった通信にかけるソフトバンクの思いを、今回は「災害対策」をテーマに見ていきます。

ナビゲーター役は、防災士としても活動するフリーアナウンサーの大橋未歩さん。高校1年生で阪神・淡路大震災に遭った際、友人と数日間連絡が取れず、大きな不安に陥った経験を持つ大橋さん。「いつでも、どこでも、つながる社会」を目指し、有事の際であっても通信インフラを途切れさせないよう、絶え間ない努力を続けるソフトバンクの取り組みに、一緒に迫ります。

PROFILE

  • 大橋 未歩
    OHASHI MIHO

    フリーアナウンサー

    1978年兵庫県生まれ。上智大学卒業後、2002年にテレビ東京に入社し、多くのレギュラー番組で活躍。2013年に脳梗塞を発症後、約8カ月の療養を経て復帰。2018年に15年間勤めたテレビ東京を退社し、フリーアナウンサーに転身。2023年アメリカ・ニューヨークに住まいを移し、日米を行き来しながら、テレビ、ラジオ、イベントなど幅広く活躍中。

阪神・淡路大震災で感じた「つながらない」ことの恐怖

阪神・淡路大震災を経験された際、特に困ったことや不安に感じたことは何だったのでしょうか?

大橋

当時高校1年生だった私は、神戸市須磨区に住んでいて被災しました。家族も自分の周囲にも、幸いにして命を失う人はいませんでしたが、友人と一週間ほど全く連絡が取れなかったんです。被災直後は固定電話がつながる瞬間もあったのですが、その後すぐにつながらなくなってしまって。

大事な人が生きているかどうか分からないというのは、本当に身を切られるような思いでした。不安でたまらず、 就寝時には家族に見つからないように泣いてましたね。回線が復活したときはすぐに仲の良い友人に電話しました。元気そうな声を聞いてようやく、安心して眠れるようになったのを覚えています。

1995年当時は、現在のようにSNSも普及していません。そんなときに電話がつながらないことの不安は想像を絶します。

大橋

そうですね。一番怖いのは「自分たちが今、どういう状況に置かれているか」が分からないことでした。被災後は停電が続き、テレビやラジオも十分に視聴できる状況ではありませんでした。全体像が把握できないため、自分が住んでいる地区が救援の対象から忘れられてしまっているのではないかとも思いました。いつ電気が復旧するのか、いつ水や食料が届くのか、情報がないためそれらが見通せないのはつらかったですね。

防災士の資格を取得され、さまざまなメディアで震災体験を語られたり、防災に関する情報発信をされたりしていますが、それはどのような想いからでしょうか。

大橋

やはり阪神・淡路大震災の経験が大きいですね。甚大な被害が生じ、6,000人を超える多くの人命が失われた中で、私たちに残された教訓があります。それを、後世に伝えていかなければいけないという想いが強くあります。

特に伝えたいのは「想定外の事態は必ず起こる」こと。神戸にはずっと地震が来ないと言われて育ったんです。阪神淡路大震災まで、本格的な地震なんて全く経験したことがありませんでした。でもある日突然、震度7はやって来ました。想定外の事態は考えたくはないのが人間の心理だと思いますが、その “想定外” が起きるのが、自然災害なんだということは強調したいです。また阪神・淡路大震災は、午前5時46分に起きたということもあり、就寝中の方も多く、圧死で亡くなる方が多かったので、住居の耐震基準の確認はもちろん、寝室には大きな家具や落下物は置かないなどを心がけてほしいと思います。

災害時の「通信」の役割についてどのように考えられていますか?

大橋

防災士として学んだことに「自助・共助・公助」の考えがあります。災害対策には、自分自身や家族で備える「自助」、地域で助け合う 「共助」、行政が行う「公助」 の3つがあるというものです。 そして、大きな災害になればなるほど、道路などのインフラが寸断されるなどして、公的支援が遅れることがあると学びました。

一人ひとりが担う自助の大切さはもちろん訴えたいですが、共助や公助の面で通信会社の果たす役目は大きいと感じます。

「そのとき、つながるということ」に挑む、ソフトバンクの災害対応

ではここからは、重要なインフラとなっている通信会社の災害対策について、ソフトバンクの担当者も交えて深掘りしていきます。

担当者

ソフトバンクでも、いつ発生するか分からない大規模災害に対しての取り組みを強化しています。有事であっても、通信サービスを提供できるようにするための施策は次のようなものになります。

ソフトバンクの災害対策

災害に強いネットワークの構築

通信ネットワークの中枢であるネットワークセンターは、震度7クラスの揺れにも耐えられる設計。無停電装置や非常用発電機を備え、商用電源が消失した際にも最長72時間稼働できる。

移動基地局車、移動電源車の配備

基地局の倒壊や停電などで通信サービスがつながりにくくなったエリアを早期に復旧させるため、移動基地局車や移動電源車を全国に配備。

災害用伝言板の提供

災害時に音声電話が集中することでつながりにくくなった場合に、お客さまよりメッセージをお預かりし、伝えたい相手にお届けするサービス。

防災訓練の実施

大規模災害に備え、全社規模の「総合防災訓練」のほか、「ネットワーク障害対応訓練」「安否確認訓練」などの各種訓練を定期的に実施。

省庁や自治体との連携

2013年より災害対策基本法が定める国の「指定公共機関」に指定。緊急時に自衛隊や海上保安庁、自治体へ携帯電話・衛星携帯電話などの貸し出しや、さまざまな情報の連携などを行う。

「そのとき、つながるということ」 東日本大震災から10年、進化し続けるソフトバンクの災害対策

大橋

素晴らしいですね。本当に災害発生時の備えを徹底されているんですね。特に助かるな、と感じるのは移動基地局車や移動電源車の取り組みです。阪神・淡路大震災の頃とは違って、今は一人一台以上ポータブルデバイスを持っている時代。とにかく情報が得られる状況になれば、大変な状況の中で少しでも不安や混乱が和らぐと思います。

担当者

ありがとうございます。2011年の東日本大震災が大きな岐路になりました。ソフトバンクは発災から震災前と同等レベルの通信エリアまで復旧するのにかかった時間が通信キャリアの中では一番早かったのですが、それでも通信を全て復旧させるまでに1ヵ月ほどかかりました。そのときの教訓を生かして、「もっと早く、一日でも早く、つながりを取り戻す」をテーマに、取り組みを加速させています。

不安なときだからこそ、通信の果たす役目は大きい

大橋

最近特に力を入れていらっしゃることはあるのでしょうか?

担当者

先ほど大きな災害ほど公的支援が遅れるというお話をいただきましたが、まさにそうで、東日本大震災では基地局が津波に流されるなどの地上の通信インフラに影響が出ました。それを踏まえ、早期に復旧できる手段として、衛星の通信を使ったり気球を上げて電波を発射したり、さまざまな通信復旧方法を取り入れながら、実際に被災地などで通信を復旧させてきました。

最近は臨時の基地局設置や遭難者捜索にドローンを活用する施策にも挑戦しています。このように空が秘める可能性を模索して、ソフトバンクは非地上系ネットワーク(NTN)やドローンを災害対策に活用する取り組みを進めているんです。

非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)

地上、海、空にある移動体を多層的につなげる通信ネットワークシステムのこと。その一例として、成層圏通信プラットフォームの「HAPS(High Altitude Platform Station)」は、地震や津波などで地上の通信設備やネットワークに障害が発生した場合、被災地の上空に機体を移動させることで、暫定的に通信エリアを復旧させることができます。

【NTN(非地上系ネットワーク)】~ 1分で分かるキーワード #1

ドローンを活用した災害対策

ソフトバンクは、ドローンに臨時無線中継システムを搭載し飛行させることで、エリアを通信可能な圏内に復旧し、携帯電話の電波をキャッチして、GPS機能を復活させるなどの実証実験に取り組んでいます。また、大雨や地震など大規模な自然災害に伴う土砂崩れや建物倒壊の被害など、一刻も早い救助が求められる事態が発生したとき、スマホの位置情報を特定し要救助者を発見できるよう、ドローンを使った捜索技術の研究も進められています。

携帯電話の通信を復旧させたり、遭難者の位置を特定できるソフトバンクの「ドローン無線中継システム」

大橋

私も登山が趣味なので、ドローンの話を聞いたときは直感的に「よし、来た!」と思いました。奥深い山中にも、衛星を持って行くことができたら、緊急通報ができたり、救助活動にも活用できたりするんですね。

担当者

はい、ドローンを使いスマホの電波をキャッチして位置情報を特定することで、がれきの中や山中で被災や遭難してる方を発見して救助に行くような開発も進んでいます。救助の観点でも、非常に通信は役に立つと考えています。

大橋

他にも将来的には、ソフトバンクのスマホから音声案内で避難を呼びかけるようなシステムがあったらいいなと思います。例えば、GPS上で近くの川が氾濫しそうなことを検知して、その人が川を見に行きそうになったら、「川には行かないでください」と音声が流れるというような。テレビで「河口付近には近づかないでください」と訴えかけるだけでは、本当にもどかしいんです。

担当者

まさに私たちも、将来的にはデジタルツインやAIなどの技術を使って、それぞれの人が現在いる位置や状況に応じて、次に取るべき最適な行動を呼びかけるようなこともいずれできるようにしていきたいと考えています。

大橋

命を守る取り組みをますます広げられているソフトバンクに、これからもすごく期待しています。

災害時に通信がつながることで、避難所や家族との安否確認、必要な情報の収集の他、さらには救援活動にも活用が期待できます。だからこそ、通信会社としてソフトバンクは「少しでも早く、1分1秒でも早く、被災者に電波を届ける」という思いを強く持って活動に取り組んでいます。

「X PROJECT」その他の記事も是非ご覧ください!