アプリケーションモダナイゼーション

AI はお客様のデジタルトランスフォーメーションを再び促進する触媒となりえる

2024年5月16日

Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2024 年 5 月 3 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

正直にお聞かせください。お客様の「デジタルトランスフォーメーション」は、行き詰まっていませんか？数年前には熱心にスタートしたものの、今ではプロジェクトが中途半端で放置され、成果もまちまちで、スタッフのやる気もなくなっていませんか？それはよくあることです。数年に及ぶ取り組みの勢いを保ち続けることは、簡単なことではありません。特に、規模が大きくなり、複雑度を増し続ける取り組みであればなおさらです。活動の焦点をまとめ、チームのモチベーションを上げ、作業を簡略化するための触媒が必要となります。初期の徴候を見れば、生成 AI がその欠けていた触媒であることがわかります。そして Google Cloud はお客様が変革を進めるためのパートナーとして他にない存在です。

行き詰まってしまう原因

デジタルトランスフォーメーションは、多くの人にとって、いろいろな意味を持つものです。より効率的に作業をすることなのか、ツールをアップグレードすることなのか、新しいデジタル製品を顧客に提供することなのか、データドリブン戦略を採用することなのか、社内の文化を変えることなのか、それともその全部なのか。こうした取り組みに対して、組織が再び一丸となれるような共通の目的は、多くの場合見えていません。このようにフォーカスが欠けていることで、まったく共通点のないプロジェクトがずらりと並んで目が回るという結果を生むことが多いのです。

プロジェクトの一部は、新しいカスタマーエクスペリエンスに注目したものです。新しいモバイルやウェブのエクスペリエンスを立ち上げようとして、格別とは言えないもののそれなりの結果を出している組織もあるでしょう。パブリッククラウドの導入や、リアルタイムデータインフラストラクチャの設置、デベロッパーにやさしいアプリケーションプラットフォームの設定、セキュリティサービスのアップグレードを目的として着手されたバックエンドプロジェクトは常時たくさん存在しています。このことが必然的に、データへのアクセス性能を上げたり、アプリのスケーラビリティを増したり、インフラストラクチャの自動化を進めたりするモダナイゼーションプログラムを促進します。スマートな企業は、現代的な考え方やエリートレベルの能力を受容する企業文化への投資を約束することで、これらのテクノロジーへの取り組みを後押ししています。

これらはすべて、悪いものではありません。しかし、ときには次のような意図しない結果を生むことがあります。

パブリッククラウドとプライベートクラウドにまたがるより複雑なインフラストラクチャ
想定されていない負荷と変動率によって以前のシステムに重い負担がかかる
成功の指標が、イノベーションから費用削減、最適化から効率化へと定期的に変わる
計測可能な成果からどんどん逸脱していくように思えるプロジェクトが増えていき、チームのモチベーションが下がる

もっと良い方法があります。Google の経験では、企業が生成 AI に投資することで、数多くの重要な IT への取り組みに注目が集まり、意味ができ、取り組みが促進されています。

なぜ生成 AI はチームを刺激するのか

生成 AI を中心とするビジネス戦略は、顧客と従業員の両方にメリットをもたらします。なぜでしょう。顧客に対しては、よりパーソナライズされた魅力的なエクスペリエンスを提供することに自社の意識を集中できます。その例は少なくとも 101 件あります。スタッフに対しては、データレポートやソフトウェアアプリケーション、インフラストラクチャプラットフォームといった、より高機能なツールを各人がどのように使って製品を設計し、提供、操作できるかにスポットを当てます。誰もが参加できるのです。

そこがポイントです。大事なのは生成 AI そのものではなく、生成 AI を使いこなすために何が必要かです。生成 AI を支える次の 5 つの領域（旧来のデジタルトランスフォーメーションで中途半端に放置されていたことが多いもの）において優れたパフォーマンスを出すため、皆で集まって全力で取り組む必要があります。

インフラストラクチャを自動化する。今こそ、自社の（AI をホストする）インフラストラクチャを支えるマシンの準備やアップグレードや撤去のため、全面的な自動化を確立すべきです。
データ プラットフォームをアップグレードする。AI モデルは、質の高いデータがなければ役に立ちません。タイムリーかつ正確なデータが非常に重要です。すなわち、フレキシブルなデータパイプラインやスケーラブルなデータベース、AI に対応したデータウェアハウスへの投資が必要になります。
開発者の作業環境を改善する。開発者が AI を使用して設計を行うには、高速なイテレーションを可能にするツールやフレームワーク、プラットフォームサービスが必要となります。今こそ、チームの能力を解き放つための文化的なアップグレードを完了しましょう。
最新のセキュリティ プラクティスを導入する。生成 AI を導入するには、データやアプリケーション、インフラストラクチャのセキュリティを全面的に考慮する必要があります。セキュリティが信頼できなければ、デプロイすることはできません。必要に応じて自社のセキュリティポスチャーをアップグレードすることが重要です。
クラウド移行を終わらせる。パブリッククラウドの外で生成 AI の価値を最大化するのは困難です。Google Cloud のような場所は、現在非常に重要なイノベーションや弾力性、スケールの実現を支援することを目的として作られています。

成功に必要なもの

過去の変革で直面した課題を避けたいとお考えなら、生成 AI 戦略を用いて進める方法はいくつかあります。しかし Google Cloud では、お客様の成功を確実にするための重要な構成要素は 3 つあると考えています。

まず、すぐに使えることが必要です。生成 AI モデルとアプリでは、依存するデータをすぐ使えることが求められます。AlloyDB から BigQuery まで続く Google Cloud のデータサービスは、お客様の独自の情報によって AI ベースのシステムをグラウンディングするための速度、スケール、コストパフォーマンスを提供しています。今では特に、専門知識にすぐにアクセスできることが、お客様の取り組みを進めるうえで必要となっています。今こそ熱意をもって変革すべきときです。ぜひ、世界トップレベルの Google のチームと連携して、AI ベースのソリューションの構築、提供、最適化にお役立てください。

次に、統合型の AI プラットフォームが必要です。複雑で壊れやすい DIY 型の AI プラットフォームを構築している場合ではありません。進化はものすごいスピードで進んでいます。複雑さではなく、イノベーションとフレキシビリティにお金を使ってください。Google 独自の AI ハイパーコンピュータである MLOps のための Vertex AI platform と Gemini for Google Cloud は、最高レベルの垂直統合と水平統合により、プラットフォームの構築、運用、最適化の場として、他にない支援を提供します。

最後に、組織間での生産性に関する支援が必要です。AI とは別のアウトプットを出すだけのものではなく、別の働き方を実現するものです。Gemini for Google Workspace により、誰もがよりクリエイティブかつ生産性の高い働き方ができるようになります。Gemini Code Assist は、ソフトウェアデベロッパーが質の高いソフトウェアを理解して作成するための便利なツールです。Gemini Cloud Assist は、クラウドシステムのトラブルシューティングと最適化を行う必要のあるチームにとって画期的な AI アシスタントです。

さあ、行き詰まった状況を脱却しましょう。Google の「Building Apps in an AI Era（AI 時代のアプリ構築）」ウェビナーにご登録いただき、イノベーションの促進や他にはないカスタマーエクスペリエンスの提供、競争上の優位性の継続的な確保に Google Cloud がどのように役立つかを学んでください。

ー Google Cloud、チーフ エバンジェリスト Richard Seroter

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