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アプリケーション モダナイゼーション

repareo はクラウドベースのマイクロサービス アーキテクチャを採用して、自動車修理ビジネスを拡大

2024年5月16日
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Google Cloud Japan Team

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※この投稿は米国時間 2024 年 5 月 8 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

自動車修理に関しては、ほとんどの人は整備士に頼りきりでしょう。車を地元の整備工場に持っていき、作業代金を支払ったら、あとは最善を祈るだけです。行われた作業やかかった費用はほぼ不透明で、支払った金額に見合う価値が得られたかどうかは定かではありません。

repareo では、お客様に対して自動車修理の工程を完全に透明化すると同時に、車修理のカスタマー エクスペリエンスを変革し、e コマースに対応できるように市場をモダナイズしています。今では、お客様は repareo のサイトで車両の問題を記述すると、顧客レビュー、費用の内訳、空き状況を含む地元の整備工場のリストをすぐに受け取ることができ、どこに車を持ち込むかを情報に基づいて決定できます。また、当社のサイトは修理工場の予約システムと直接つながっているため、お客様は希望の修理工場を選んで直接予約でき、修理工場に電話で空き状況を問い合わせる時間を節約できます。

モノリシック アーキテクチャからの脱却

今年、repareo Google Cloud で新しいインフラストラクチャを立ち上げます。以前は、小規模なホスト型サーバーを使用したモノリシック システムを利用していました。当社のような小規模な開発チームにとって、これは保守しやすいだけでなく、コスト効率良くビジネスを成長させるうえで役立ちました。ところが、機能やサービスを追加するにつれてモノリスが大きくなりすぎたことで、開発速度に影響を及ぼし、他のアプリケーションにボトルネックが生じるようになりました。

信頼性も問題になっていました。repareo は自動車管理フリートおよびリース会社と統合されており、多くのドライバーは自動車リースアプリから当社のサービスにアクセスするため、当社が効率的に機能できるかどうかはサードパーティ API に大きく左右されていました。成長に伴ってトラフィックが増大した結果、これらの API の速度が遅くなっていました。ドイツのタイヤ交換のシーズンなど、ピーク時にはトラフィックが 300% に急増してサーバーに大きな負荷がかかり、効果的にスケールできずにサービスが停止する事態に陥っていました。

インフラストラクチャをモダナイズして市場をモダナイズ

転機が訪れたのは昨年、世界有数の e コマース企業の車両部品市場と統合する大規模な取引を締結して、お客様が購入手続きの過程で取り付けを予約できるようにしたときでした。新しいサービスレベル契約(SLA)に準拠しながら、予想される 10 倍の需要増加に対処できるインフラストラクチャが必要になることを実感し、いよいよクラウドに移行する時期が来たと判断しました。

移行によって他のメリットが得られることも認識していました。マイクロサービス アーキテクチャを構築すれば、サービスをモジュール単位で開発できます。また、カリフォルニアにある世界有数の車両部品の e コマース企業の近くに特定のワークロードを配置すれば、応答時間を短縮できます。クラウド プロバイダを探す中で、Google Cloud は提供するテクノロジーとサービスの範囲の点で抜きん出ており、特に BigQuery Apigee は市場で他に類を見ない高度なソリューションであるという印象を受けました。

しかし、テクノロジー以上に感銘を受けたのは、Google Cloud が当社の業界と自動車分野内のビジネス ネットワークについて深い理解を示してくれたこと、そして Google Cloud チームと個人的な関係をすぐに築けたことでした。新しいプロバイダへの移行は一生に一度の大きな決断で、結婚のようなものであり、Google Cloud との関係は長続きすると直感しました。

堅牢で信頼性の高いシステムで、よりスムーズなカスタマー エクスペリエンスを実現

当社は現在、移行の真っ最中で、当社のような小規模な開発者チームにとっては、習得が容易ではないことがわかりました。それでも、Apigee の支援により、ステージング環境を簡単にセットアップして本番稼働前にシステムをテストおよび調整できるため、ユーザーに影響を与えることなくスムーズに移行できます。

移行はトータルで 6 か月足らずで完了する予定です。稼働すると、従来よりはるかに大きいユーザーベースのニーズに対応できる、堅牢でスケーラブルなシステムになります。Apigee を使用して API を構築および管理することで、キャッシュ システムを使用してサイト上の多数の API リクエストをキャッシュできるため、基盤となるシステムの規模を大幅に拡大することなく、パフォーマンスの高いバッファリング アルゴリズムを提供できるようになります。また、Apigee のログ システムは非常によくできており、API が効果的に機能するように、統合の問題を簡単に発見して修正できます。その結果、お客様はスムーズで信頼性の高い予約システムを使用して、修理の最新情報をリアルタイムで受け取ることができ、また整備工場はリーチをはるかに広げられるという恩恵が得られます。

Google Kubernetes EngineGKE)の自動スケーリング機能は、トラフィックの急増に合わせてワークロードを自動的にスケールアップし、閑散期には再度スケールダウンして必要以上のコンピューティングを使用しないようにするため、需要の変動に対処できるかどうかを心配する必要はありません。このコスト効率の高いプロビジョニングにより、システムの能力がトラフィックのピーク期間に対処できるかどうかを心配する必要がなくなり、お客様は高速で信頼性の高いサービスを利用できるようになります。

使いやすいマネージド サービスで開発者をレベルアップ

Google Cloud の組み込み機能とマネージド サービスのおかげで、開発効率はすでに大幅に向上しています。たとえば、Apigee には、API が安全に通信できるようにするための鍵管理システムが組み込まれているため、開発チームは時間と費用をかけて独自のシステムを構築する必要がありません。同様に、Cloud SQL はマネージド データベースであるため、データベースの更新やメンテナンスに時間を費やす必要がありません。さらに、GKE は自動化ツールと簡単に統合できるため、デプロイ速度が 15% 以上高速化され、デベロッパーの効率が向上します。

これらすべてのおかげで、当社の開発者は空いた時間をコアとなるビジネス ロジックや、整備工場のウェブサイトから予約の空き状況を収集する新しい RPA ベースのテクノロジーなどの新機能の開発に注力できます。当社はこの新しいテクノロジーを構築してリリースするまで 1 週間かかりませんでした。古いインフラストラクチャを使用していれば 1 か月はかかったでしょう。

持続的な成長のための強固な基盤

他にも数々の重要な取引が進行する中、repareo は現在、持続的成長の時期を迎えており、顧客ベースを急速に拡大しながら新しい市場に参入する準備を進めています。これほど容易なスケーリングは、Google Cloud なしでは実現できるものではありません。Google Cloud のグローバル ネットワークとリージョン データセンターにより、新しいリージョンへの参入が容易になり、応答時間の短縮も享受できます。そのスケーラブルなアーキテクチャにより、成長に合わせてインフラストラクチャをいつでもスケールできるという確信を得ることができます。

より多くの人が自動車修理の透明性と利便性を享受できるようにするという使命を掲げるなか、Google Cloud という適切なプロバイダを得たことで、ビジネスの成長を加速していけるものと確信しています。

-repareo、最高経営責任者 Philipp Haac
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repareo、最高技術責任者 / 共同創業者 Tobias Reisner
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