ホットラインセンターについて
日本語JAホットラインセンター設置の背景
近年、インターネット上における児童ポルノや規制薬物の広告等の違法情報や、 犯罪その他の違法行為を引き起こす原因となるなど公共の安全や秩序に対する危険を生じさせる情報の流通が社会問題となっている。
インターネット上には膨大な量の情報が日々新たに流通していることに加え、海外に設置されたサーバに蔵置されているものがあるほか、コンテンツ自体のコピー、改ざん、削除等が容易であるなどの特性も有しているめ、これらの違法情報への対応をより一層推進するに当たっては、広くインターネット利用者の協力を得て違法情報に関する情報を収集することが効果的である。
一方で、協力を求められる利用者の立場からすれば、違法情報を警察に通報する際には氏名等を明らかにする必要があることなどから通報に消極的になることも想定される。
このような状況の下、インターネット上の違法情報への対応を効果的かつ効率的に推進していくためには、広くインターネット利用者から違法情報に関する情報提供を受け付け、一定の基準に従って情報を選別した上で、警察への情報提供、電子掲示板の管理者等への送信防止措置依頼等を行う団体を設けることが重要であることから、ホットラインセンターを設置することとしたものである。
ホットラインセンターの役割
ホットラインセンターにおいては、インターネット利用者から受け付けた情報について、主として次のような対応を行うこととする。
ア)警察への情報提供
インターネット上における流通が刑罰法規に違反する疑いがあると「ホットラインセンター」が判断する情報、重要犯罪に密接に関連する情報、特定の犯罪に関連する情報(法禁制品の販売に関する情報等)その他の犯罪連情報、自殺関連情報等について、犯罪捜査、犯罪予防、人命保護等に資するために警察に情報提供する。
※ 警察へ通報する情報の範囲と、電子掲示板の管理者等への対応を依頼する情報の範囲は異なる。
イ)プロバイダや電子掲示板の管理者等に対する対応依頼
違法情報のうち一定の範囲の情報について、プロバイダ及びウェブサイト等の管理者に対して送信防止措置等の対応を依頼する。
対象有害情報について、プロバイダ及びウェブサイト等の管理者に対し、それぞれの利用者との間の契約や利用規約等に基づく自主的な対応を依頼する。
ウ)関係機関等への情報提供等
他の機関・団体において処理することが適当なものについては、専門的な対応を行っている関係機関・団体に対して情報提供することとする。
エ)フィルタリング事業者に対する情報提供
受信側による情報のフィルタリングによる違法・有害(「公序良俗に反する情報」をいう。以下同じ。)情報対策に資するため、ホットラインセンターにおいて集積した違法・有害情報のデータベースについて、定期的にフィルタリング事業者に対し情報提供することが考えられる。※2
※1 警察へ通報する情報の範囲と、電子掲示板の管理者等への対応を依頼する情報の範囲は異なる。※2 インターネット上には青少年の健全育成を害する情報(青少年にのみ有害なものに限る。以下同じ。)も流通しており、ホットラインセンターにこの種の情報に関する通報がなされることが想定されるところである。インターネット上の青少年の健全育成を害する情報については、一律に削除等の対応を行うことよりも、むしろ、青少年の発達段階に応じたアクセスコントロールがなされることが必要であり、その手段としてはフィルタリングが有効である。
そこで、ホットラインセンターにおいては、通報された青少年の健全育成を害する情報をフィルタリング事業者に提供することなどにより、フィルタリングの性能の向上へ寄与していくことが重要である。