構造化された面接とは、簡単に言えば、同じ職務に応募している応募者に同じ面接手法を使って評価するということです。構造化面接を行うと、応募した職務自体が構造化されていない場合でも、応募者のパフォーマンスを予測できるという調査結果があります。Google では構造化面接を採用しています。つまり、すべての応募者に同じ質問をして、同じ尺度で回答を採点し、事前に決められた一貫した採用要件に基づいて採用を決定しています。
では、構造化面接の質問を使う組織があまり多くないのはなぜでしょうか。実は、質問を作成するのが難しいのです。構造化面接の質問は、記述してテストする必要があります。また、面接担当者が他の質問をしないように指導する必要もあります。さらに、同じ質問が何度も出されると予想した応募者同士が、情報を交換してすべての回答を用意してこないように、質問を絶えず更新する必要があります。別の調査によると、構造化面接があまり頻繁に用いられていないのは、一般に面接担当者は皆自分の面接が上手いと思っていて、助けなど要らないと感じているからだということがわかっています。確かに、人の才能を見抜く力に長けていると思いたい人は多いでしょう。
しかし、こと採用に関しては、直感を信じてはいけません。初対面の相手に対してとっさに下す無意識の判断は、自分の中にある無意識の偏見や信念に強く影響される、という調査結果があります。たとえば面接の場合、知らず知らずのうちに、応募者の精緻な能力を評価することから、自分が感じた応募者の第一印象が正しいと確認できる証拠探しに意識が切り替わるのです。心理学者はこれを確証バイアスと呼んでいます。
構造化面接は、小規模なチームから政府まで、あらゆる規模の組織に有効です。米国政府の連邦人事管理局では、政府機関の職員採用には構造化面接を使用するよう奨励し、誰でも利用できる無料のリソースセットを提供しています。