「日本で誰も見たことのない、伝説のアルバムにしたいと思って作りました」。ラッパーのオーディション番組で注目を浴びた次世代のライジングスターによるデビューアルバムは、喪失感や苦悩を抱えながら、仲間と出会い、高みに向かう過程をありのままに歌った作品となった。タイトルには「この作品を誰にも忘れて欲しくない。この先、何年も聴かれ続けてほしいという思いを込めました」と、KaneeeはApple Musicに語る。 2023年に大型ラップイベントで衝撃のアーティストデビューを果たした北海道出身のラッパー／シンガーは、キャリア2年足らずにして、作品リリースを重ねながら、BAD HOPやDJ TATSUKIらの作品に客演を果たすなど、まさに急成長を遂げている。その勢いのままに自身の可能性を徹底的に追求するべく制作された本作は、全17曲の大作となった。デビューをバックアップしたSTUTS、ZOT on the WAVE、JIGGをはじめ、KM、DJ SCRATCH NICE、grooveman Spot & Kzyboost、YamieZimmerらがプロデューサーとして参加。「一つのジャンルにこだわらずなんでもやる」という言葉通り、ドリルからブーンバップまでさまざまなビートを乗りこなし、豪華な客演陣も迎えた。「ラテンミュージックが好きだからこその『Charming』のフローはぜひ聴いてもらいたい」とKaneeeはいう。 退屈な日常から夢に向かって走り出す「A LIFE」、喪失感を明日の糧に変える「FAMILY」、夢のなかで浮上を続ける「SPACE」まで、多彩なフロウと共に描かれる若きラッパー／シンガーのリアルな心情が鮮烈な印象を残す。「ヒップホップはもちろん、自分が感じる音楽というものを詰め込みました。ジャンルの壁なんてものは気にせず、俺の『音楽』を聴いてほしい」