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顧客事例

Prewave が Google Cloud の AI を使用して世界中の多層サプライ チェーンの安全性を確保している方法

2024年5月15日
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Google Cloud Japan Team

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※この投稿は米国時間 2024 年 4 月 26 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

多くの企業は、環境や社会への影響に責任を持つことが長期的な成功の鍵であることを知っています。しかし、ほとんどの企業が直接サプライヤーしか認識していない状況で、どのようにすれば十分な情報に基づいた意思決定を行うことができるのでしょうか。Prewave は、企業によるサプライ チェーン全体の復元力、透明性、サステナビリティの向上を支援するという使命を掲げています。

当社のエンドツーエンド プラットフォームはサプライ チェーンの幅広いリスクのモニタリングと予測を行いますが、その成功の原動力となっているのは AI です。お客様に大規模なサポートを提供しているため、AI がなければ、膨大な量のデータを処理し、公開されている情報から有益な分析情報を抽出することはほぼ不可能です。そのため、この需要に継続的に対処するには、信頼性、安全性、スケーラビリティに優れた強固なテクノロジー基盤が必要です。2019 年の創業以来、Prewave がサプライ チェーン リスク インテリジェンス プラットフォームを Google Cloud 上で構築してきたのはそのためです。

当時の Prewave は、まだ規模が小さく、ハードウェアやインフラストラクチャを保持する余裕がありませんでしたが、信頼性、可用性、セキュリティの面で傑出している Google Cloud のマネージド サービスによって、製品開発と当社の使命に集中することができました。また、サステナビリティに対する共通の懸念も、導入の決断に影響しました。当社は、これほどの低カーボンフットプリントを達成しているデータセンターと連携していることに誇りを感じています。

数千社のサプライヤーを追跡

Prewave のエンドツーエンド プラットフォームは、お客様の 2 つの重要課題を解決します。1 つ目は、説明リスクを特定し、適切な軽減策を講じることで、サプライ チェーンの復元力を高めることです。2 つ目は、強制労働や環境問題などの ESG リスクを検出し、解決することで、サプライ チェーンのサステナビリティを高めることです。

そのための基盤となるのが、当社のリスク モニタリング機能です。この機能では、共同創業者の Lisa 2012 年に博士論文研究の中で開発した AI が使用されています。この機能を使用して 120 以上の言語で公開されている情報をスキャンし、お客様にとってのリスクイベントの初期兆候でありうる分析情報を検出しています。これらのリスクイベントには、労働不安、事故、火災や、サプライ チェーンの混乱を招く可能性があるその他 140 種類のリスクが含まれています。ここで得られた分析情報に基づき、お客様はインシデント レビューの提出からオンサイト監査の手配まで、さまざまなリスク軽減アクションを当社のプラットフォーム上で行うことができます。

また、Prewave はこの情報を利用して、直接サプライヤーと下層サプライヤーから原材料の供給業者に至るまで、お客様のサプライ チェーンをマッピングします。現在、このレベルの粒度と透明性を確保することが、欧州コーポレート サステナビリティ デュー デリジェンス指令(CSDDDなどの新しい規制の要件となっていますが、お客様がこの要件を支援なしで満たすことは困難な場合があります。多くのお客様が数百、数千のサプライヤーを抱えるなか、当社のプラットフォームは各サプライヤーの把握に役立つだけでなく、必要に応じて特にリスクの高いサプライヤーを注視することもできます。

Prewave のプラットフォームは、サプライヤー側の労力を可能な限り軽減します。サプライヤーは、Tier-N モニタリング機能で潜在的リスクが示された場合にのみ対処する必要があり、その場合も当社が問題の解決と業務水準の向上を支援します。また、このレベルの可視性を達成することで、サプライヤーは業務パートナーとして認定してもらうために多数の質問に手動で回答しなくて済むようになります。

これらすべてを可能にするため、当社のエンジニアリング チームは、SaaS をサポートする Google Kubernetes EngineGKE)などのスケーラブルなテクノロジーに大きく依存しています。最近 Standard から Autopilot に切り替えたことで時間効率が大幅に向上しました。また、ノードプールが適切に配置されていることや、利用可能なすべての CPU パワーが適切に使用されていることを確認する必要がなくなったため、リソースを最大 30% 節約できるようになりました。実行したデプロイに対してのみ料金を支払えば済むため、費用も削減できました。

当社は、最高のツールを導入することが、お客様だけでなく社内チームにも最高のエクスペリエンスを提供する鍵になると信じているため、Cloud Build Artifact Registry を使用してアーティファクトをテスト、構築、デプロイし、GKE にも使用する Docker コンテナを管理しています。一方、Cloud Armor は、サービス拒否攻撃やウェブ攻撃から当社を守るファイアウォールとして機能しています。

スケーラビリティは当社の目的達成に重要な要素であるため、アプリケーション開発チームとデータ サイエンス チームは Cloud SQL をデータベースとして使用しています。これはフルマネージド サービスであり、要求に応じたサーバーの管理に気を取られることがないため、製品開発に集中できます。また、データ サイエンス チームは独自モデルの開発と保守に AI を導入するために Compute Engine を使用しており、これらのシステムは Prewave の日常業務の中核を担っています。

多層サプライ チェーンの改善を進めるより多くの企業を支援

2020 年に 3 社だった Prewave のお客様は現在では 170 社を超え、社員は 10 人から 160 人に増加しました。収益は 100 倍まで増加し、重要なマイルストーンを達成しました。また、プラットフォームで多くの新機能をリリースしてきたため、会社の拡大とともに製品の拡張も必要になりましたが、Google Cloud ではこれが問題になりませんでした。新たな実装で必要とされたリソースを拡張しただけで、適切なタイミングで可視性を高め、新規顧客を獲得できるようになりました。当社の基盤は安定性とスケーラビリティに優れているため、事業の拡大は円滑に進みました。

Prewave は、米国などの新しい市場に進出する前に、2023 年に始まった欧州への拡大計画を進めています。この計画は順調に進んでおり、Google Cloud との連携は、その信頼性とセキュリティを確実に信用している初期段階のお客様の信頼獲得に役立っています。当社は、世界中のより多くの企業が多層サプライ チェーン全体で透明性、復元力、サステナビリティ、法令遵守を達成できるよう支援するなかで、Google Cloud との連携が今後も大きな利益をもたらしてくれると信じています。

-Prewave、ネットワーク責任者 Daniel Höfer
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PrewaveVP アドバイザリー Jonas Artmeier
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