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インフラ モダナイゼーション

Google Distributed Cloud のイノベーションにより、あらゆる場面で AI を実行

2024年5月9日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2024 年 4 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

昨今、お客様は、データの処理と分析、隠れたインサイトの発見、生産性の向上、新しいアプリケーションの構築を行うための、AI を中核としたまったく新しい方法を模索しています。しかし、クラウドに AI を導入したいと考えている組織にとって、データ主権、規制遵守、低レイテンシの要件がジレンマとなる可能性があります。機密データを特定の場所に保管して、厳格な規制を遵守し、迅速な応答性を確保する必要があるため、イノベーション、スケーラビリティ、費用対効果といったクラウド本来の利点を活かすのが難しくなります。

Google Distributed CloudGDC)を使用すると、Google AI サービスの機能を、データセンターやエッジなど、お客様が必要とする場所で利用できるようになります。GDC は、AI とデータ量の多いワークロードを念頭に置いて設計されており、豊富なサービスセット、さまざまな拡張可能ハードウェア フォーム ファクタを備えたフルマネージド型のハードウェアおよびソフトウェア ソリューションです。お客様は、Google Cloud のシステムに接続して実行するか、パブリック インターネットとの間にエアギャップのある状態で実行するかを選択できます。

今年の Google Cloud Next では、お客様が自社の環境全体で最先端の AI ワークロードを導入する能力を加速させるのに役立つ、GDC のさまざまな機能強化を発表しました。詳しくは以下をご覧ください。

あらゆる場面で AI を活用

AI の加速的進歩により、データが生成された場所の近くでデータを処理および分析することが可能になりました。GDC では、GemmaLlama など、さまざまなオープン AI モデルを利用できます。このたび、最先端のオープンモデルである Gemma を搭載した生成 AI 検索パッケージ ソリューションを発表しました。このソリューションは、GDC を使ってエッジまたはオンプレミスでデータを簡単に取得および分析できるよう設計されており、2024 年第 2 四半期にプレビュー版が利用可能になる予定です。GDC AI ソリューションとサービスにより、Google、サードパーティ、オープンソース コミュニティが開発した最新モデルと統合された、真にオープンで包括的な AI スタックをオンプレミスで構築できるようになります。

GDC の新しい生成 AI 検索パッケージ ソリューションを利用すれば、Gemma 7B モデルを使用したオンプレミスの会話型検索ソリューションをすぐに導入できます。このソリューションを利用すると、自然言語検索を通じてオンプレミス データから最も関連性の高いデータとコンテンツをすばやく見つけることができるため、従業員の生産性と知識の共有が強化されます。検索クエリとデータはすべてオンプレミスに保持されます。GDC AI 検索ソリューションでは、LLM サービスに Vertex AI が利用され、データの取り込みに事前トレーニング済み API(音声文字変換、翻訳、光学式文字認識)が利用されます。ベクター データベースには AlloyDB Omni pgvector 拡張機能が使用され、Elasticsearch などの代替オプションも用意されています。このソリューションには、エアギャップのある GDC 環境にデプロイするオプションも用意されています。

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Google Distributed Cloud の生成 AI 検索パッケージ ソリューションのアーキテクチャ図

セキュリティとプラットフォームの機能強化

AI や他のエンタープライズ グレードのアプリケーションを動作させるには、堅牢で安全なプラットフォームが必要です。GDC のアーキテクチャでは、機密性の高いアプリケーションの最も厳しい要件が優先され、厳格なデータおよび運用主権規制を確実に遵守できます。ライフサイクル全体でワークロードを保護できるようにするために、GDC には高度な保護を提供する堅牢なセキュリティ サービスと機能が用意されています。このたび、セキュリティとプラットフォームに機能強化が追加されましたので、ご紹介します。

セキュリティ

GDC ISO27001 および SOC2 コンプライアンス認証を取得しました。これらの認証は、規制およびコンプライアンス要件の基準を満たすプロダクトをお客様に提供することに Google が全力で取り組んできたことの証しです。

さらに、Palo Alto Networks の脅威防止テクノロジーおよび GDC アーキテクチャを統合したマネージド侵入検知 / 防御ソリューション(IDPS)も導入しました。IDPS には Palo Alto Networks の脅威防御テクノロジーが組み込まれており、North-South トラフィックを検査することで、GDC ワークロードに透過的なインライン保護が提供されるため、シンプルかつ大規模に最先端のセキュリティ保護を適用できるようになります。

プラットフォームの機能強化

お客様がイノベーションを加速させることができるよう、柔軟性とスケーラビリティを念頭に置いて設計された新しい機能強化を導入しました。

  • GDC サンドボックスは、お客様とパートナーがエアギャップや物理ハードウェアを経由することなく、GDC 向けに設計されたサービスを Google Cloud 環境で構築およびテストできるマネージド エクスペリエンスです。デベロッパーは、仮想マシン、コンテナ、データベース、Vertex AI などの GDC サービスを使用できます。

  • GDC ラックは、AI および一般的なコンピューティング ワークロード向けに最適化された最新世代のラックです。このラックには、デプロイに合わせてネットワークまたはストレージに最適化されたノードを選択できる柔軟性が備わっています。

  • GDC ストレージの柔軟性により、コンピューティングに依存せずストレージを拡張し、大規模な分析や AI ワークロードをサポートできるようになりました。ワークロードのニーズに応じて、ブロック ストレージ、ファイル ストレージ、オブジェクト ストレージを選択できます。

  • 存続可能性の強化により、切断モードが最長 7 日間サポートされるようになりました。また、オフライン管理機能スイートにより、切断中でもデプロイとワークロードにアクセスでき、動作が継続するようになりました。

  • ApigeeGoogle Cloud の主要な API 管理ソリューション)が GDC でサポートされるようになります。GDC Apigee を使用すると、AI ワークロードで求められる規模で API を管理および保護できます。

パートナー サービスやソリューションの GDC エコシステムの拡大

Google は、エッジまたはオンプレミスに AI アプリケーションをデプロイするには、幅広い専門スキルとテクノロジーが必要となることを理解しています。そのため、パートナーと緊密に連携して、特定の業界ニーズに合わせた価値ある専門知識とソリューションを提供し続けています。このたび、イノベーションをさらに加速させるために、パートナーとの新しい連携方法が導入されます。

まず、運用、設計、移行 / デリバリー、デプロイの各サービスとともに、エンドユーザー向けマネージド サービスとして GDC を販売するマネージド GDC プロバイダが導入されます。ClarenceT-SystemsWWT などのパートナーはすでに、マネージド GDC プロバイダとしてお客様に主権ソリューションを提供しています。

Google Distributed Cloud とコラボレーションすることで、機密データを保護し、データ主権をサポートする専用のクラウド ソリューションを公共機関のお客様に提供することは私どもの誇りです。」- WWT、連邦セールス担当バイス プレジデント Scot Gagnon

2 つ目として、新しい Google Cloud Ready - Distributed Cloud バッジによって、お客様が独立系ソフトウェア ベンダー(ISV)をはっきり識別できるようになりました。Google はパートナーと連携してそのソリューションを検証し、GDC のお客様のユースケースをより適切にサポートできるよう既存のイングレーションと機能を調整および強化しています。CanonicalCIQElasticMongoDBPalo Alto NetworksStarbust など、多様なソフトウェア パートナーのソリューションがすでに検証済みです。

現在、CitrixCockroach LabsConfluentCouchbaseCrowdstrikeDynatraceEricssonGitLabGrafana LabsHashicorpIS DecisionsMariaDBNeo4JNokiaRedisSAPSplunkStandard AISyntasaTenableTrellix なども検証プロセスを進めています。ご関心をお持ちの Build パートナー様は、こちらのフォームに記入してお知らせください。

Google は引き続き NVIDIA と連携し、必要な場所で AI ワークロードを実行できる最新世代の画像処理装置(GPU)を提供する予定です。このたび、エネルギー効率に優れた NVIDIA L4 Tensor Core GPU を搭載した新しい GDC サーバーが導入されます。高可用性が不要なユースケースでは、単一のサーバーをスタンドアロン アプライアンスとしてデプロイできます。このソリューションは、オンプレミスでの AI イノベーションを加速するため、NVIDIA H100 Tensor Core GPU を搭載した AI 最適化サーバーに追加されます。

最後に、Citrix とのパートナーシップの拡大により、Citrix の業界をリードする仮想デスクトップ インフラストラクチャ(VDI)システムが導入されます。これは、GDC を使用した環境を保護できるようにすることを目的としています。このパートナーシップにより、管理者はエアギャップのある最新のクラウド環境でデジタル ワークスペースを一元管理できるようになります。

Google Distributed Cloud 上の Citrix VDI は、業界をリードする主権 AI プラットフォーム上の最新のワークスペース エクスペリエンスを通じて、公共機関および規制対象企業のお客様があらゆるデバイスで仮想デスクトップやアプリケーションにアクセスし、生産性を向上できるようにすることを目的としています。」 - CitrixEVP 兼ゼネラル マネージャー Sridhar Mullapudi

思いどおりに構築する

Google は、お客様が選んだ場所で AI と最新のアプリケーションを構築する最適なソリューションとして GDC を提供できるよう取り組みを続けてまいります。GDC を使用して Google Cloud の機能をエッジまたはデータセンターに導入することにご関心をお持ちの場合は、[email protected] または認定パートナーまでお問い合わせください。

あらゆる場面で AI を活用する方法を、Next '24 の以下のセッションでご確認ください。

1 日目

2 日目

3 日目

-Google Cloud、Google Distributed Cloud および提供地域拡大担当バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャー Vithal Shirodkar

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